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ダメ、ゼッタイ



僧侶の雄道です、こんにちは。


大抵の人は、「何か、面白い事言って!」って言われると、嫌がります。


いきなりそう言われても、難しいですよね。


そんな時でも、何だかんだと相手を笑わせたり、満足させてしまうお笑い芸人さんというのは、凄いなぁと思うわけです。


先日、小学生のお田植え実習のお手伝いをしておりましたら、

生徒さんから、それのお坊さん版をくらわされました。


「ねぇ、何かありがたい事言って!」


その瞬間、自分でも驚くほど、頭の中がギュンギュンフル稼働し、

何をお話しするべきか、洗いだしたのですが、

悲しいかな、何も思いつきません。


自分の引き出しの少なさに絶望しつつ、

今度はこちらが生徒さんに質問攻めにし、

色々とご家族の事を聞き出し、

なぜ、「ありがたい話」が聞きたいのかを取り調べました。


結果としては本人は、私との会話で納得してくれたようで、

ホッと胸を撫でおろしました。


改めて、

「ねぇ、何かありがたい事言って!」という要望に応えるのは難しいです。


「有難い=あることが難しい」の反対語は「当たり前=当然あること」です。


人間は、生きていくに中で、

当たり前だと思っていたことが、

実は当たり前ではなかったことに気づいて、

「ありがたい」という価値を見出すのではないかと思います。


僧侶として、様々な場でお話をすることがありますが、

その中で、一番聞き手が私の話に集中してくれるのは、

お葬式の時です。

故人が生きていたことが、

「当たり前」から「ありがたい」に変わる瞬間です。


けど、葬儀が終わり、喪が明けるにつれ、

日常の生活に戻っていくと、

気付けば

「ありがたい」から「当たり前」に戻っている。


「ねぇ、何かありがたい事言って!」

やっぱり難問です。


私には質問しない様にして下さい。


いや、ネタ振りではないですからね!


聞くなよ!

絶対に聞くなよ!(笑)




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