先日までは夏日が続いたのに、ここへきて気温がぐっと下がり、唐突に冬の風情になりました。
ところで、「丸儲け」という言葉があります。
「丸儲け」=元手がかからず、収入のすべてが、自分のもうけになること。
よく使われる例としては、やはり「坊主丸儲け」でしょう。
「坊主丸儲け」=僧侶は資本や経費などを使わなくても利益を得ることができるの意。
宗教法人には法人税が掛からないという事情が、その様な評価を頂くことに拍車をかけているのかもしれません。 実際はというと、寺院運営にはそれ相応の経費は掛かりますし、僧侶もお寺から決まったお給料を賜り、各種税金を納めているわけで、容易く「丸儲け」といかないのが現実ですが、歴史的に考えるとご批判を甘んじて受入れるべき点も過分にあるだろうと考えております。
坊さん側ばかりの納得で、お相手の納得を得ることを怠ったのが原因の一つでしょう。
以前、修行中に市街を托鉢でまわった折、道端で見知らぬおじさんがしきりに、
「坊主丸坊主、坊主丸坊主」と見たままのことをおっしゃっておられ、首を傾げましたが、後々考えたら、「ああ、坊主丸儲けって言い間違えてたのか。」と合点がいったことがありました。
(托鉢=僧侶が、鉢を持ち、食物を乞うて歩く修行。現代の日本では、食物の代わりに金銭がを頂戴することが多い)
「坊主丸儲け」から、「坊主丸坊主」ぐらいに変わるべく、我々も精進せねばなりません。
さて、「生きてるだけで丸儲け」という言葉があります。
芸人の明石家さんまさんが、座右の銘にされていることでも知られています。
今の世に、天文学的な確率の中から生まれてきて、
何かが少しでもズレていたら、今の自分がいなかったという事実。
そのことを腹の底から実感していれば、
毎朝、目が覚めるだけで、
「なんてありがたい!今日も一日が過ごせる!」
と感謝するはず。
なのに実際は、
「今日も忙しい一日が始まる、寒いなぁ~もう少し寝てたいなぁ。。。」
となってしまうのが、私たち。
今ここに呼吸をしているだけで、丸儲けなのに、
腹が立ち、涙を流し、もっともっと、さらなる儲けを探し求めてしまう。
そんな時は、感謝なんてどこ吹く風です。
本当は感謝しかないはずなのに。。。
冬の寒風は、ノーガードのツルツル頭には容赦がないわけですが、
一陣の風が吹き抜けるその都度に、感謝の心を思い起こすよう心掛けたいものです。
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